飲食店詳細 :: 美食のアポリア

新橋　鶴八分店

◎エリア：東京都 ◎ジャンル：寿司・魚介類

◎最終訪問日：2016年06月頃 ◎訪問回数：1

◎評価：★★★

◎投稿者：ノエル

　新橋鶴八の一軒おいた隣にできた分店。気難しそうな親方が多い鶴八系だが、ここのご主人は、若く気さくだ。
　まず驚くのは、鮨の大きさ。巨大で、江戸時代に戻ったようだ。女性なら、５貫も食べれば満腹するんじゃないだろうか。アジなどは魚を丸かじりしている感じになり、関西弁の「ザンない」というのが適切だろうか。現代語に翻訳するともう、少し外見を整えればいいのにという感じか。ご主人に伺うと、自分が他店の寿司を食べても満腹にならなかったので、この大きさにしたという。江戸時代の寿司のようだ。こうした独自の道を行く店があってほしい。
　味は、鶴八系にしては穏やかだが、伝統的な寿司のうまさを守り、そこからあまりはみ出ない。それが、いかにも寿司を食べたという満足感になる。
　新橋鶴八のスペシャリテであるマグロが山ほど入った鉄火巻はこの店にもあり、とても巻けそうにないものをみごとに巻く。食べにくいが、さまざまなマグロの色合いのグラディエーションが美しい寿司だ。
　値段は、つまみと寿司、軽く飲んで12000円。鮨の質、銀座も近い新橋駅前という場所からすると、安い。ご主人は、これが普通の値段だという。確かに、平気で一人3万円を取る東京のすし屋の方が、間違っているのかもしれない。
　店内に余計な飾りはなく、中国人のマッサージ店ばかりが入っているニュー新橋ビルにあるから、雰囲気の良さは望めない。家賃を抑えて、客に安く寿司を提供しようといういうことで、ここに留まっているそうだ。